PINKFOX 強制収容11

波が荒い。
前の平和で穏やかな漁村とは違い、この最終地点の黒奇島はやたら磯臭く海も急深でドス黒い・・・
そんな印象を美智子は持った。
風も強い。
が、もう後戻りはできない。
リョウタたちとの自由との引き換えにあの島を出たのだから・・・

さようなら・・・・・

島につくと船頭は
「・・ほらっ!さっ、さっさと降りろっ!!!ヒィィッ(泣)!!」
軽い悲鳴を上げ元来た海へ帰っていった。
よほど何かを怖がっているようだ。
(・・・・・・・・・・・・・・)
島は前の島の半分くらい。
寂れていて町らしきものもなくゴーストタウンのよう・・・
それでも南国だからパンツ1枚の美智子でも大丈夫なのだろうが・・・
よく見るとまばらに人がいて、こちらを見ている。
だが寡黙で何もしゃべらず止まったまま彼女を男たちはただ見つめている。
色が黒いのでまるで黒人のようにも見える彼らだがこれからここにお世話になる以上、何かアクションを
おこさなければいけない。
美智子は少し緊張して初めて声をかけた。
「・・・こっ、こんにちは!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
無反応。
よく見ると半裸の彼女を見ても彼らは顔色1つ変えないのだ。
そして体中に鞭で打たれた後や焼き印の後のような傷跡やミミズ腫れが無数にある。
(・・・私と同じ・・奴隷なのかしら・・・・・・・)
だが答えはすぐに出た。

ドカッ!!!

「ぐっ・・・・!!」
後ろから棒で殴られ倒れる美智子。
砂浜なので足の自由も気かずきずくと彼女は無数の男女に囲まれ、集団リンチのような殴る蹴るの暴行を
受けはじめた。

バキッ!!
ボコォッ!!
ドカッ!!!

「た、たす・・・・がふっ(泣)!!!」
お饅頭のように丸くなる美智子に容赦ない男女の集団・・・・
さっきの無口の男性たちといい、薄れていく意識の中で美智子は思った。
(・・・私・・死ぬのかな・・・・・・・・・・・・・・)
それでもいい。
悪い事をしたのは自分なのだ。
だが、彼女はやはりリョウタたちに未練があった。
最後に人目会いたい・・・自由に暮らしているという証が見たい・・・
グッタリし、口から血を流し、指先やケツをピクピクと痙攣させながらついに美智子は気絶した。
倒れた美智子を眺めている男女の後ろから兵隊のような男がやってきた。
まじまじと彼女を見る男。
腫れてはいるが整った可愛い顔だち、キュッと締まったヒップに形のいいバストにスラッとした足首・・・
「・・・・・・・・・・・美人だな。このまま殺すのは・・・もったいないな」
言うと男は何もしゃべらない男の1人に美智子を抱え上げさせ一緒に歩き、ものの5分もしない内にソレは
現れた。
まるで宇宙ステーションのような概観の建物だが藤堂たちがいた建物よりもはるかに大きく立派なものだ。
揺られながら意識の戻った美智子は思う。
(・・・・・何か・・よほど強いショックを与えられているのかしら・・・)
その大きな門に入り、美智子はそこでドサッと降ろされ、数人の護衛たちに検分を受ける。
「・・・・ほお、こいつはいい女だ。」
「だなっ!!残さないとな。ヒヒヒ!!!あんたら人買いは用なしだぜ」
「ちぇっ!!売ればかなりいい値がつくんだが」
ディープな会話の後、美智子は護衛2人に抱えられてパンツを脱がされ、ケツを出されると彼女はギョッとした。
焼きゴテだ。
よく牛などに刻印を押すアレ。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
ショックだが体中に傷を負い、半ば死にに来たのだからどうしようもない。
ジ・ジ・・という音を立て赤く焼けた刻印は彼女の柔らかいお尻部分に押された。

ジュウゥゥ・・・・

「!!・・・ヒィッ(泣)!!!」
あまりの熱さに思わず叫ぶ美智子だが両腕を押さえられて身動きできない。

刻印は「3」と押されていた・・・
「意識が戻ったなら都合がいい・・・・来い・・」
歩いている最中、美智子は何度も集団の人間の悲鳴を聞いた。
が、何を行われているのかは分かっている。
殺されているのだろう。
数を減らす。またこの島に罪人が来る。減らす。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
恐らく最初にあった黒い男性たちは上手くここから逃げた、いわゆる゛野良人間゛なのだろう。
美智子も同じだ。
お尻に刻まれた刻印はもう一生消えないが、自分の命もいつまでなのか・・・
つくとそこは「洗浄室」で、彼女の体に菌を消すガスを吹き込むと白衣を着た女性たちが無表情に体を調べ
はじめる。
彼女の両目を開けまじまじと見たと思ったら今度は鼻の穴を拡大鏡でのぞく。
「・・・鼻毛が多いわね。クス・・・」
プライドを傷つけられ少しムッとする美智子に旱魃入れず今度は舌と歯をチェックし耳クソを取り、だんだんと
下にいく。
するといきなり女女医は美智子の乳をまるで牛の乳を牧夫が搾るように揉みはじめた。
(あ・・・・ん、やめ・・・はん(恥)
表情は変わらなかったが荒くなる息遣いと吹き出る汗。
そして乳首もピンッ!と摘まれ女医はクスッと笑う。
「・・・中々いいモノじゃない?女の私でも嫉妬しちゃうくらいね。クスクス・・」
そして人差し指でお腹の中心をスーッとなぞりヘソを通過し美智子の黒々とした茂みへ指をやり軽く摘んで
恥毛をプチッ!と1本抜くと助手の女性に渡してレンズに大事に移された。
クス・・・と笑う女女医と顔を真っ赤にしここから逃げ出したいくらいの羞恥を感じている美智子。
死ぬ覚悟をして流れ着いたこの島で各界に名を馳せPINKFOXと言われた馬渕美智子は今、自分の体の
汚い部分まで丸裸に晒されようとしていた。
大人と子供・・・
このキレ者の女医により美智子はプライドを剥ぎ取られ幼なき子供の、小学生の身体検査のようにただ
無抵抗に立ちすくむだけであった。


                                     
                                                          12に続く